純粋に君が怖いよ

02 02, 2010
デキストリンガール

「怖いっていう字、幽霊に似てません?」
デキストリンで出来た彼女はいいます。
「おんなのひとがおそろしや〜ってでてくるときの、顔。にてません?」
デキストリンで出来た彼女はつづけます。
「それも白いなんて歴代の大統領に比べたら大したことなくて。だって、蒼白しちゃうんなんてうそっぱちだもん。調子にのるというもこうって、校長もいってましたし。あ、校長の白さは白髪止まりですけどね、くふ。」
デキストリンで出来た彼女は舌がアレキサンドリア型N104で構成されているため、わらい方に癖がある。「蛙のみどりはみずいろのホースによく映えるためだって、きのうみた吊革広告にあったフレーズで、あ、わたしフレーズメモるの癖なんですけどね、くふ。くふくふ。」
わらい方の癖にはきづかないでフレーズメモ癖を暴露するデキストリンで出来た彼女はさらにつづけます。
「きのうも、2006年の9月8日にメモしたフレーズ捜してて、おそくなっちゃいました。ああいうのって、つい酔っちゃうんですよね、捜してる時分に吐き気しちゃって、吐いちゃうんですよね。朝の6時くらいになって気づくんですよ。あ、フレーズメモ2006!って。トイレ駆け込んでトイレの布団で寝ちゃうもんだから。くふ。そんなのご法度ですよね。禁句禁句。禁止令ですよもう。くふくふ。」モスグリーンのYシャツを着ている脇からデキストリンで出来た彼女の下腹部に至る身体ラインまで、骨格の細さを観察します。骨の細さを洋服のうえから観察するのが好きなのです。「好きなの」告白タイムサイトに送信できる10項目のうちの8番目の好きなのです。
「眠気がなあ」
「寝てないんですか?」
「うんん。あんまり」
「ジャ、わ、いっしょだ。くふ」
デキストリンで出来た彼女は前述の会話よりおかしそうに笑います。人と同じ行動をとることにわらいの坪をかんじる緩さがあるのでしょうか。以前、コンビニエンスストア(青)に耐熱タイプのキンチョールとカルパスと鱈チーズ冬季限定スモークサイロインステーキ風味を買いに行ったときのこと、デキストリンで出来た彼女は100円ライターを買いに来ていました。調度鱈チーズを冬季限定スモークサイロインステーキ風味にするか、中華テンシンフカヒレ風味にするか迷っていたところ、声をかけられたのです。「くふ。スモークサイロインステーキ。おととい食べたけど、げろまずですよ?くふくふ」デキストリンで出来た彼女は100円ライターを右手に持ち左手の小指で鱈チーズのパッケージにつめをたてます。小指のつめには古民家の台所(蛇口から水がでる直前の春菊の菜っ葉を洗う模様)の臨場感が丁寧に描かれ、ひとさし指には風呂ガマの横手にある囲炉裏で鍋にはいったトッポキがおいしそうに煮込まれています。「もしかして、多摩地区出身の方ですか。」トッポキは多摩の名産で有名なのを、隣の埼玉の国出身の高校に通っていたため、校歌の一章に記述されていたのを思い出したのです。「い、あ、そのとーり。」びっくりした表情をつくるのが下手くそなのか、まゆげとまゆげをくっつけるようにしてぐぬっと唇で歯をかんでから、もういちど「そのとーり。」とかぼそく言い直します。訝しげられたのだと感じて「卒業、さいたまの国で。」「う!まじ。うんうん。ならおっけぇ」と肩をぽんぽん叩きます。
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01 28, 2010
kyoぼくかも。

フローリングの床の木目をみているとかならず「カナブン」を思い出します。カナブンは木目調ではないけれどカナブンのみどりいろした甲虫類独特のせなかが暗い事務室を連想させるのです。暗い事務室といえばくすんだローズ色のカーペットなのであって、くすんだローズ色のカーペットが敷かれている床といえばフローリングの木目なのです。ある夜国道17号線のゆうらぎ(湯うらぎ)方面にむかう橋を渡っていたら前方からフローリング大佐とかかれた大判のシールを貼り付けたトラックが爆音と共に突っ込んできて運転していたハンドルのむげる瞬間をめにしました。息がとまったのは覚えてないのですがなぜか爆音・ハンドル・フローリング大佐の組み合わせは「カナブン」ではなく「カナブン君」を連想させました。(それからというもの「カナブン君」と呼ばれる)大判のフローリング大佐のシールに反応して「カナブン」を想うのは納得がいくし理にかなっているのですが、一体爆音とハンドルのむげとフローリング大佐のシールがカナブン君という呼称名をひきだしたのはいつになく不可解なのです。のちに生まれてくる娘に名づけた「不可解」もこのエピソードからのけぞったものなのですが、それはさておき一度生死をさ迷った「カナブン君」は幽体して禁鳥リキッドの蓋缶に閉じ込められました。禁鳥リキッドの蓋缶のなかはくらくむせるつよい虫を殺すにおいがしました。苦しくて息ができず、事故当時から呼吸などとまっているはずなのにやはり胸くるしいのです。おかしいな、不可解だなとことばにしようとすれば口はポストイットのような形状に変形してしまったようで、幽体であるのに愚痴もこぼせないかたちとなって居るのです。そんな理不尽な、とおもってもことばにすることはできません。外から音がしないのも禁鳥リキッドの置いてある場所が家の納戸の増設した下から数えて2番目の棚に在るからです。住人が虫を殺すスプレーを必要としない季節と推測すると、事故当時着ていた厚手のセーター(緑と白の縞模様)の記憶から明瞭に覚えがあり、それほどの時も経っていないのでしょう。できればあの夜出かける前にとどまった髭剃りを躊躇せず行っていれば、幽体になったいまでも口がポストイットのようにならなかったでしょうし、なにせトラックにぶつかることもなかったのでしょう。どんなに悔やんでも髭は伸びたまま救急隊に救出されたのでしょうか。バビンと音がして目がさめました。さめたというより覚醒したおもいがしたのです。納戸のたてつけが悪いのはもう5〜6年前からで、とっ手を握り締め左側に回してから右奥にひねる秘密技術が元来家では定番でした。サマモン様という神を崇める点で近郊の住宅から多少の訝しめは受けていたのですが、玄関のまえに時たまカナブンの死骸を置かれるだけで、これといった支障はないのでした。「バビン」音はその秘密技術に決定的に憑き物である証拠、元来家(ガンライケ)で一週間に二度起る現象です。祖父のゲートボール道具をだす土曜日の午後2時と、家族揃って週末に行う(あるいは地域センターで行われる児童施設向上会合の食事会)で使用するバーベキューセットをだす日曜日の午前10時の2択があるのです。めを覚ましてから禁鳥リキッド内に布の擦れるおとがします。これは一見ゲートボール道具をつつんでいる青色のニクロム線で縫い合わせられたステテコカバーの音に思われますが、一度バーベキューセットをだしたことのある手前、バーベキューセットにとなり合せた<めかぶパック>のダンボールのうえに置かれたスポーツバッグの手持ち部分が、禁鳥リキッドの蓋缶の上にいつもかぶさっているのです。ということは今日は日曜日であり今は午前10時前後の時間帯であることが禁鳥リキッドのなかからおもうカナブン君の幽体化は、缶の底に座り込んでいました。たとえ自分が事故にあってもバーベキューを行う家族に幻滅したのはその数秒もたたないうちにたどり着いた思考結果なのでした
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言い換えれば

01 23, 2010
心が折れる.

わたしってそんなに幼い そんんあladyゼロ ...鷽ん  

ladys and Gentleman 淑女のみなさん,紳士のみなさん



まじめやまじめと贔屓にされて脅され生きてきた雛こと「ひないぎひな子」は相変わらず白いおも長の仏頂面で菜のはっぱと蛾を愛していました。愛した蛾はこれまで325匹なのでして、No326番目にはぜひともいままで最良魅に満ちた蛾をと息張って眺めておりましたところ、「カツラ寒虫(さむし)」と名乗るおとこが訪ねて参りました。「今晩は。よく冷えますね。わたくしカツラ寒虫とよびます。」「なにか御用」ひな子は玄関のドアを開ける前にインターホンで受け答えしなさいと鍵っこ教育を熱心に母親から受けたこどもでしたので、けたたましく鳴ったベルにおののくこともなく「なにか御用」と受話器から喋ったのでした。「嘘だよひな子。パパだよ。」ひな子は幾分ほかの同級生より聴覚の発達に遅れをとっていたため、果たしてカツラ寒虫と名乗ったインターホン越しのおとこが絶対的にパパであるか判断ができないのでした。ひな子なりに30秒の沈黙のあいだ第一のクエスチョンマークが発信されました。「パパ?なんで鍵ないの?パパ。鍵ないの?」ひな子は冷静に受話器で発した声が震えているのを自覚しながら、それがリビングの蛍光灯にとまった蛾のうつくしさに対し震えているのだと気づいていたため、この茶番をはやくに終わらせたいと切実におもい始めました。「パパじゃなかったらどうするんだ。こわいだろう。じつは鍵をわすれたんだ。ママに連絡とっても電話にでてくれやしない。頼むよ、さむいよ。お外、さむいよ〜。」ひな子の視線の先に注がれた蛾は羽の形状は一般的なモシャ型(ひな子の名づけた横ばいに広がりをもつ蝶に酷似した型である)だのにかかわらず、先端の茶色いモスグリーンの渋みがかった点描が銀に光っているのがみてとれます。趣向性の明るい色調の蛾より、錆色や鉛色を好むひな子にとってなんともNo326にふさわしい蛾であると、みればみるほど恋苦しい熱が募ります。「ね。だから開けてごらん。ひな子すきだろう。餅すきだろう。花菓子買ってきたんだ。ひな子餅すきだろう。」パパと名乗るカツラ寒虫は餅を餌にひな子を誘導しているように第三者からみてとれる現場ではあるのですが、事実ひな子は餅が大のつく好物であり、「モ」と「チ」を聴いただけで唾液線を充足させるに至らないほどのエネルギーを発揮するのです。「すき。」とだけ言ってから明晩、先週の火曜だったっけかしら、塾から帰って見たニュース<灰の腹事件の真相:特別臨時ニュース速報>で明らかとなった殺された女児5歳の真犯人が、実は娘の父親が勤める会社の同僚であったことがひな子にとってショッキングな放電として覚えのある出来事なのでした。もし会社の同僚に父親が娘の嗜好品の暴露を成せていたなら、いとも簡単に「餅」を餌として玄関のドアを開けようとすることができる。ひな子は恐怖しました。「すきじゃない。」言い直したときには既にカツラ寒虫が次の一手にてをかけようとする間のびでした。「いいひな子。いいこだから開けなさい。いい加減パパをなかに入れてくれないと、怒るぞ。餅やらないぞ。カツラ寒虫といって悪かったよ。謝るよ。飛んだジョーダンさ。開けなさいひーなこ。」ひな子は耳を疑いました。あのパパが冗談を「ジョーダン」(↑↓↓)と発音したことはこれまで一度もなかったし、聴力の悪いひな子にでもわかるくらい気味のわるい「ひーなこ」には胸くそわるい想いでインターホンの受話器を空中分解でもしてあいつの耳の穴にぶちこんで髪の毛を剥いで髄に鉄バッド押し込んでやる、とおとといみたロードショーのカルト主人公のマネをしながらもう一度蛾を眺めました。蛾は身動きせず同じ場所にとどまったまま、ひな子を見守るようにして蛍光灯にやさしく触れているようでした。蛍光灯へのやさしさと、自らの昆虫としての地位に対する遠慮さがみてとれ、ひな子はさらに惚れこみました。No326、まってて。きっと捕まえてあげる。ひな子は心に決めてからもう一度。第ニのクエスチョンマークを発しました。ひないぎ家では例年パパが鍵を忘れる事例がいくつかありましたが、一度としてインターホン越しに直接ひな子に助けを求めることはありませんでした。いつだってママが電話にでるのでしたし、あるいは常にママが家に待機するパターンでのみ構成されていたいくつかの過去です。「もういっかい。ママに電話したら?」ひな子はこのクエスチョンが終了した際には、一旦受話器を宙ぶらにしておいて部屋にもどり蛾の採集道具一式を持ってこようと考えていました。頭はNo326の蛾で手いっぱいなのです。「うん。じゃぁいいよ。じゃぁね。」これはひな子にとって虚をつく言動でした。まさか相手がカツラ寒虫があきらめるとは思わなかったからです。「え」といってから音沙汰がなくなりました。どうやらパパか定かじゃないカツラ寒虫は消えたようです。ほんとうにパパだったら悪いことしたなぁ。ひな子はすこし反省しはじめました。しかしどう考えても、あんなに気味の悪い声をだすはずがないのです。聴力のひくいひな子にさえわかるほど、こころがさむくなるような音波です。会話で支障をきたす潜在能力でも、こうした芯の部分は蛾の採集で培われたべつの能力であるとひな子は考えます。蛾は無音におもえて鳴きます。羽の音ではない、触覚と触覚の擦れる隙間に蛾たち独自の発声法があると信じています。にんげんの言葉にすれば「けんけけけんけけん」という単調な「ke」と「n」のアルファベット発音ですが、些細なちがいは「k・e・n」では捉えきれないフィールドワークなのです。それからひな子のあたまも、表現方法のバイタリティに「ken」しか持ち合わせていないという不幸な実情も共存しています。蛾博者にはなりたくない、とひな子は想います。蛾のきもちをきくことのできる、採集者でいたいと夢想するのです。消えたのであれば、多少の不気味さを残して余韻にひたることもなく忘れるように二階が駆け上がるため受話器をもとの定位置に戻しました。夜にはかならず雨戸をしめていたひないぎ家では微風に揺れる雨戸のおとで蛾が飛び立たないかと不安げに天井を眺めましたが、びくともしない銀箔色の羽をみて息をつきました。ため息は燐ぷんに混じってひな子は腕を舐めました。ひなひな子。ちょっと終息。ひなこのものがたりちょっと終息です
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癒韻

01 23, 2010
「折り紙で何が折れますか?」はーと.

「そんなんだから果実酒つくっちゃうんでしょ。」
べんべん翻る使用済みのセロテープが窓のそとのベランダでなびくのを見ながら怒鳴る。
「ワイドショーにでて果実酒つくってるやつの顔みた?あんなの、ほんとばかみたい。気クルッてるとしかおもえない。果実酒つくってるやつの顔図鑑販売したらバカ売れなんじゃないの?」歯垢の盛り上がった八重歯をむき出して笑うため、乾燥した空気に触れると唇と八重歯がくっつく。受話器をもたない右手で唇を剥がしてから無表情にもどす。ブラウン管ではお昼の「ときめきキッチングッドナイトランチ」のオープニングテーマ曲、ショパンの「amadare」が流れ「ごめん、ささめき。でもやめらんないの。果実が待ってんの。瓶が足りないの。」唾液線の緩い姉は泣き始めるとよけい呂律が廻らない。「ぎょめん、ささめき。ぎょめん。」言語シンパシーを起こして気にしている魚面ヅラだと宣言されている気持ちがして「唾液吸い取れよ」というと、スポイトの「キューイン」音がきこえてから「うん。うん。」と頷く。「家にあるのはメープルとファイブミニの瓶だから果物はいらないよ。」「だから、梅酒とか口の広いのあるでしょ。一週間に2回くらい。ジャム瓶は消費に時間かかるからお薦めできないけど。カシューナッツの瓶とか。」「梅酒の瓶はみどりぃからきらいだっていってるじゃん。ミドリ色の瓶の話だけはすんなっていってんじゃん。」電話を切ろうとすると「明日!明日とりにいくから。!」といって通信が切れた。

終息
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寄る辺ない

01 23, 2010
だってスピリットは個人を越えてそこにあるものでしょ?

悪党だって純真で素朴でしょ?君たちがそうでしょ?
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とくにいみは ない

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